ウイルスは紫外線に弱いという点についても、勝田教授はこう言及する。

「それは事実で、紫外線で新型コロナは死ぬかもしれません。ただし、それは限定的です。屋内など太陽光が当たっていないところには紫外線が届きませんから、そこでは今まで通りウイルスは生き延びます」

 先の中国の研究では「(新型コロナは)中東呼吸器症候群(MERS)の流行に似ている」と言及。MERSは気温が45度を超える中東地域でも感染が起こっている。

「私見としては、『実効再生産数(1人の感染者が何人にうつすか)が1を下回る状況が維持される』『1日あたりの新規の感染者数が全国で100人を下回る』という二つの条件を満たさなければ、緊急事態宣言は解除できないと考えています」(勝田教授)

 5月1日の専門家会議の報告によると、4月10日の全国の実効再生産数は0.7、東京は0.5で、前回を大きく下回った。だが気を抜かず、今後のこの数値の変化を注視していきたい。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2020年5月22日号