新型コロナウイルスへの新薬の使い方は、どのようなものなのか。

「15cc程度の培養液に保存した約1億個の幹細胞を、点滴のように患者に投与します。2回ほどで効果は出るでしょう」(藤森氏)

 免疫治療の場合、副作用はほとんどないと藤森氏は言う。ただし、幹細胞を用いた治療については、認可をめぐって様々なハードルがある。藤森氏が続ける。

「まずは5月からメキシコにある現地政府の許可を得た施設で、新型コロナウイルス治療のデータを集めます。そのデータをもとに、夏には日本の大学病院など施設の整った環境で治験を行い、順調にいけば冬には厚労省の承認を受けることができればと思っています」(同)

 藤森氏によれば、理想的なペースで承認を得られた場合、保険が適用されれば、2万円から10万円の間で、治療を受けることが出来るようになる想定だというという。果たして、この新薬がコロナ禍の救世主となるか。

(本誌・永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事