――具体的な取り調べ内容を教えてください。

「4月初めに2回続けて、東京地検特捜部の検事から取り調べがありました。その検事は私が案里氏や克行氏から現金をもらった証拠がさもあるような発言を何度もしました。しかし、その証拠は示されません。東京地検特捜部が捜査することについて『ステージが上がった』『広島地検でできるような話じゃない』と最初に言いました」

――河井夫妻から現金をもらったことはありますか?

「克行氏は衆院広島3区の選出で私の選挙区である安佐北区が地盤のひとつ。毎年、10万円を2回、政治資金として頂き、収支報告書に記載しております。それが何年以上、続いている。そんな話をすると『なんで(捜査が)東京地検かっていうと、10万円2回の他にもお金をもらっているとみている』『証拠があるかというと、率直に申し上げると実はある。それなら今のうちに言って(自供)ほしいのです』『東京地検がわざわざ来て、怪しい人に電話かけて聞いているのではない。証拠がある人をピンポイントで呼んでいる』とまで言われました。しかし、私はまったく違法なお金をもらったことはありません。『もらってないものは、もらってない』と反論すると、検事と水掛け論になりました。すると、検事はさらに踏み込み、『最終的な証拠、決定的な証拠はお見せできません。渡辺さんには裁判を受けてもらわねばならない』『お金を(河井夫妻から)もらったとお認めになられた方がいい』『裁判になってからじゃ遅い。後出しじゃんけんって司法の世界では最もやっちゃいけないこと。認めるのか、よくよく考えた方がいい』と言い、最後に『認めないなら、河井さんと一緒に沈んでもらうしかない』とまで言われました。私の声にまったく、聞く耳を持たずで取り調べは終わりました。4時間以上の事情聴取でした」

――検事は持っている証拠からストーリーにあわせた自白をさせようとしているのですか?

「そうです。自白して、検察ストーリーに合わせてくれたら、悪いようにしないと暗に検事は言っているように感じました。もらっていないので、自白のしようがありません」

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「証拠はある」と東京地検の検事が自白強要