東進ハイスクール=撮影・吉崎洋夫
東進ハイスクール=撮影・吉崎洋夫
ベネッセコーポレーション=撮影・吉崎洋夫
ベネッセコーポレーション=撮影・吉崎洋夫
四谷大塚=撮影・吉崎洋夫
四谷大塚=撮影・吉崎洋夫

 新型コロナウイルス感染拡大で休校が延長され、受験生を中心に不安の声が上がっている。他方で、塾や予備校では、様々なサービスが出てきている。休校が受験生にどういった影響を及ぼすのか、この時期をどう過ごせばいいか、専門家に聞いた。

【この記事の写真の続きはこちら】

「副校長から休校延長を想定した準備を指示されました」

 こう言うのは東京都の公立校に勤務する教員Aさんだ。学校現場では、政府の緊急事態宣言が延長される前から、「休校が延長される」として早くも準備が始まっていた。

 勉強のリズムがつかめなくなっている受験生も少なくない。新学期から新しい単元を学ぶことができずにいる生徒もいる。

「このままの状態が続いたら、しっかりと受験に臨めるのか不安で仕方ない。焦りでいっぱいの毎日を過ごしています」

 そう話すのは、都内の私立校に通う3年生の女子生徒。3月から休校になり、今は学校から与えられた課題や、塾が配信するオンライン授業を受けている。

「問題集を解いたり、これまでの復習をやったりしながら、自分でできることをしていますが、やっぱり集中できなかったり……。授業が遅れているし、この状況がいつ終わるのか」

 受験生が志望大学を決める際に参考にしている、大手予備校の模擬試験についても、実施が厳しくなっている。駿台予備校は5月上旬に予定していた一般の受験生を対象にした公開会場での「学力判定模試」を中止。河合塾でも同様に「全統共通テスト模試」、「全統記述模試」などを取りやめた。これ以降についても、今後の状況によっては中止もあり得るという。 

 受験生からは「自分の学力がどのくらいなのかわからない」「志望校の選択ができない」などの悲鳴のような言葉が漏れる。学校や塾も模試からわかる受験動向がつかめず、受験生に適切な助言を与えることが難しくなるとみられている。予備校関係者は、今年は安全志向、地元志向が強まり、“尻込み”受験となると見ている。 

著者プロフィールを見る
吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

吉崎洋夫の記事一覧はこちら
次のページ
前向きに捉える生徒も