子どもがいたり、仕事がなくなったりしたら… (週刊朝日2020年5月8-15日号より)
子どもがいたり、仕事がなくなったりしたら… (週刊朝日2020年5月8-15日号より)
病気になったり、介護が必要になったりしたら… (週刊朝日2020年5月8-15日号より)
病気になったり、介護が必要になったりしたら… (週刊朝日2020年5月8-15日号より)

 新型コロナウイルスの感染拡大で激変した暮らし。相次ぐ休業要請や経済活動の停滞は、家計にも影を落とし始めた。安倍政権は低所得者向けに30万円を支給するとぶち上げて迷走し、国民1人あたり一律10万円の特別定額給付金(仮称)を支給するという。だが、「コロナ・ショック」でもらえるお金は他にもある。知らないまま損をせず、制度を活用して自ら家計を守ろう。

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 仕事を探したり休んだりしている間に資格を取るなどスキルアップしたい人もいるだろう。退職後1年までや、在職中の人は、資格取得のための受講費用の一部を補助する一般教育訓練給付金や専門実践教育訓練給付金を使える。受講料は資格によって異なり、専門学校などの教育訓練施設にいったん払う必要はあるが、修了後に受講料の20~50%(最大年40万円)が戻る。失業中の人は公共の職業訓練などを受けた場合に日額500円の受講手当や月額上限4万2500円の通所手当(交通費)が支給される技能習得手当・寄宿手当もある。

 65歳以上でも、新しい仕事を探している人には高年齢求職者給付金がある。ハローワークで求職の申し込みをし、退職前の1年間で雇用保険の加入期間が6カ月以上あるなどの条件を満たせば、基本手当の最大50日分、雇用保険の加入期間が1年未満の人は30日分が一括してもらえる。

 求職活動中に病気やけがをしてしまったら、雇用保険には失業給付の代わりにもらえる傷病手当がある。

 個人事業主やフリーランスら雇用保険に入っていない人も、あきらめなくていい。ハローワークの指示で職業訓練を受ける場合は月10万円の職業訓練受講給付金と通所手当、寄宿手当が支給される求職者支援制度がある。職業訓練を受講中に生活費が足りないときは、指定した労働金庫で求職者支援資金融資も受けられる。

 さらに、失業給付の所定給付日数を3分の1以上残して新しい仕事が決まったら、再就職手当がもらえる。給付額は、残りの日数分の基本手当に60%か70%を掛けた額。60歳以上65歳未満の人は、再就職先の給料が前の勤務先の75%未満に下がると最大で賃金の15%の給付が受けられる高年齢再就職給付がある。60歳で定年を迎えて嘱託社員などとして同じ会社で働き続ける人も、下がった賃金を補填してもらえる高年齢雇用継続基本給付金がある。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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