「ワクチンがないと来年の五輪は無理」開催に疑問の声が相次ぐ残酷な現実 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ワクチンがないと来年の五輪は無理」開催に疑問の声が相次ぐ残酷な現実

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延期になった東京五輪の開幕が来年7月23日に決まり、残り日数が「479日」と表示されたカウントダウンボード=3月30日

延期になった東京五輪の開幕が来年7月23日に決まり、残り日数が「479日」と表示されたカウントダウンボード=3月30日

東京五輪の延期決定を受けて取材に応じる日本オリンピック委員会の山下泰裕会長=3月25日

東京五輪の延期決定を受けて取材に応じる日本オリンピック委員会の山下泰裕会長=3月25日

 新型コロナウイルスの感染拡大で来年夏に延期が決まった東京五輪・パラリンピックを開催できるかどうか、疑問の声が上がっている。東京五輪の新たな日程は来年7月23日~8月8日となったが、新型コロナは世界各国で収束せず、「五輪どころではない」というのが現実だ。

【写真】取材に応じる日本オリンピック委員会の山下泰裕会長

 専門家も五輪開催に否定的な見方を示す。ウイルス研究の専門家である長野保健医療大学の北村義浩特任教授が4月26日、TBS系バラエティー番組「アッコにおまかせ!」に出演した際、

「言ってしまいますが、来年、通常開催は0%。あり得ません」

 と断言した。日本医師会の横倉義武会長も25日付の朝日新聞のインタビューで、

「すでにある抗ウイルス薬や(新型インフルエンザ治療薬の)アビガンなど、使えるものがないか試しているが、ワクチンが開発されないと五輪は開けないだろう」

 と述べた。人命に勝るものはない。2人の専門家の言葉には重みがある。

 ワクチンが開発されて実用化されるまでには時間を要する。貧困にあえぐアフリカ、中南米諸国は今後、「感染爆発」の危険性が指摘されている。このような状況を見ると、来年7月にすべての国で新型コロナが収束していることは考えづらい。

 また、日本国内も経済的に大きなダメージを受け、多くの国民が今後の生活に不安を抱く中で、五輪開催に向けて盛り上がる機運が全く感じられない。むしろ、

「巨額な費用を費やして五輪を開催している場合なのでしょうか。そんなことにお金を使うなら生活に困っている人たちに給付金を出してほしい」

「コロナで生活もままならない状況が続いているのに、東京五輪なんて本当にできるの? 五輪特需なんて一瞬。その後にまた景気が大幅に後退するのが目に見えている。安倍(晋三)首相は自分の政治的遺産にしたいのだろうけど、これ以上国民は振り回されたくない」

 などネット上では五輪の開催中止を望む書き込みも少なくない。

 ただ、地元開催の五輪に向けて血のにじむ努力を積み重ねてきた選手たちの心情をおもんぱかれば、中止という決断は「残酷すぎる」と同情の声が上がる。1年3カ月後。長くて短い月日を経て、東京五輪は無事に開催されるのだろうか。(梅宮昌宗)

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