金正恩「重体説」の陰にちらつく北朝鮮の”誤算”と米国の”打算” (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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金正恩「重体説」の陰にちらつく北朝鮮の”誤算”と米国の”打算”

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亀井洋志週刊朝日#北朝鮮
昨年10月に発射された潜水艦発射弾道ミサイル「北極星3」型=労働新聞ホームページから

昨年10月に発射された潜水艦発射弾道ミサイル「北極星3」型=労働新聞ホームページから

雲隠れした金正恩氏。真相はいかに……/(c)朝日新聞社

雲隠れした金正恩氏。真相はいかに……/(c)朝日新聞社

 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の「重体説」が、国際社会で波紋を広げている。

【写真】昨年10月に発射された潜水艦発射弾道ミサイル「北極星3」型

 最初に報じたのは、韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」だ。4月20日に北朝鮮の消息筋の話として「金正恩氏が12日、心臓血管の外科手術を受けた」と伝えた。続けて21日には、米CNNが米政府当局者からの情報として、手術を受けた正恩氏が重体になっていると報じたのである。

 北朝鮮の国営メディアが正恩氏の動静を最後に伝えたのは、手術を受けたとされる12日。朝鮮労働党政治局会議の出席と、西部地区航空師団の追撃襲撃機連隊の視察だ。正恩氏の健康状態が臆測を呼んだのも、その後に続けざまに大きな“イベント”があったからだ。

 14日には、北朝鮮東部の江原道文川(カンウォンドムンチョン)付近から地対艦巡航ミサイルと思われる飛翔(ひしょう)体が日本海に向けて発射されている。また、文川に近接する元山(ウォンサン)一帯で戦闘機の空対地ロケット発射訓練も行われた。

 15日には、祖父の金日成氏の生誕記念日「太陽節」があったが、正恩氏はそのいずれにも姿を見せずじまいだった。

 今年3月には4回にわたって短距離弾道ミサイルの発射実験が行われたとみられるが、正恩氏はすべて立ち会っている。太陽節には、日成氏や父の正日氏の遺体が保存されているクムス山(サン)太陽宮殿を、最高指導者となった12年以降、毎年参拝してきた。

 だが、韓国在住のジャーナリスト、裵淵弘(ベ・ヨンホン)氏が「重体説」に疑問を投げかける。

「正恩氏が政治局会議や航空師団視察の直後に倒れたとすると、4月14日の巡航ミサイル発射はまちがいなく中止していたはずです。正恩氏の司令なしに、軍独自の判断で実施することなんてあり得ません。しかも、この巡航ミサイル発射は、韓国にとって軍事的にかなり威嚇力を持つものです。15日は北朝鮮の太陽節ばかりではなく、韓国総選挙の投開票があった日です。このタイミングで韓国を圧迫したのは、文在寅政権に制裁の解除や、経済協力による開城(ケソン)工業団地の再開を迫るためだと考えられます」


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