新型コロナウィルスの感染拡大によりテレビ各局の番組収録の休止や延期などが相次ぎ、昨今は多くの芸能人たちが仕事を失い苦しんでいる。
 
 中でも、深刻な状況に追い込まれているのがお笑い芸人たちだという。スポーツ紙の芸能担当記者は語る。

「お笑い芸人の多くは、所属事務所との契約は給料制ではなく歩合制ですから、仕事が減ればそれに応じて収入もダウンしますからね。とくに深刻なのは中堅以下の若手芸人たちです。緊急事態宣言が発出されて以降、主な収入源だった舞台や劇場への出演、イベントなどの営業の仕事がほぼ皆無のうえ、飲食店などの多くも営業を自粛しているために副業のアルバイトもできない状況ですからね」

 そんな中、新型コロナの影響は、あの人気芸人の復活ロードにも影響を及ぼしているとか。バラエティー番組を手掛ける放送作家はこう語る。

「昨秋から芸能活動を自粛し、今年2月下旬から活動を再開した『チュートリアル』の徳井義実さんですよ。じつは5月上旬に日本テレビさんで放送予定だった『しゃべくり007』の特番でのテレビ復帰が内々で計画されていたのですが、新型コロナウィルスの影響で白紙に戻ってしまったようです」

 徳井は昨年10月、自身の設立した個人会社が東京国税局から約1億1800万円の申告漏れと約2000万円の所得隠しなどを指摘されて芸能活動を自粛していたが、今年の2月24日付で活動を再開することが所属の吉本興業から発表された。

 そして、3月7日放送のKBS京都のラジオ番組「キョートリアル!コンニチ的チュートリアル」に出演して仕事復帰すると、同月15日に東京・新宿のルミネtheよしもとから生配信されるライブで舞台復帰も果たしたことで、テレビ復帰にも注目が集まっていた。

「徳井さんは逮捕や起訴をされたわけではないとはいえ、税金問題での活動自粛ということで世間のイメージやスポンサーのウケが悪化。『テレビ復帰は厳しいのでは?』という見方もありました。ただその一方で、芸人としての才能はもちろん、ルックスも良く、売れてからも偉ぶるところがない謙虚な性格で共演者やスタッフなどの現場ウケは上々だったこともあり、業界内からは復帰を後押しする声も上がっていたんです」(前出の放送作家)

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立花茂

立花茂

東京都出身。大学を卒業後、スポーツ紙の芸能記者として活躍。その後、週刊誌や月刊誌、ニュースサイトなどでも記事を執筆。得意ジャンルは芸能だが、取材対象はアニメ、競馬、プロレスなど多岐に及ぶ。最近はweb3.0にも興味あり。

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「24時間テレビ」めぐる騒動が影響?