新型コロナウイルスに関する相談件数(累計) (週刊朝日2020年5月1日号より)
新型コロナウイルスに関する相談件数(累計) (週刊朝日2020年5月1日号より)

 病院やクリニックへの受診が新型コロナウイルスの感染リスクとなっているなか、厚生労働省は初診の患者に対するオンライン診療を解禁した。電話やネットを使って診察や処方を受けられるというもので、新型コロナが流行している時期に限っての期限付きの措置だ。

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 このオンライン診療と同様に、ニーズが高まっているのがオンラインによる医療相談だ。

 その一つ、メドピアの子会社Mediplat(メディプラット)社が運営する、オンライン医療相談サービス「ファーストコール」は、日常生活での本人や家族の健康上の不安、悩みを、チャットやテレビ電話で医師に相談できる会員制のサービスだ。

 同社代表取締役CEOで医師の林光洋氏によると、継続的に相談件数は増えているが、とくにこの1、2カ月は新型コロナに関連した内容の割合が大きくなっているという。

「国内で感染者が出てきたあたりから相談がぽつぽつと出始め、2月の下旬で急に増えました」

 振り返ると、この時期は大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染拡大が注視されていた。相談件数の急増との関係は不明だが、「大きな話題があるときに件数が増える傾向がある」(林氏)とのこと。

 2月1~29日の1カ月間を分析すると、「自分が感染しているかもしれない」との内容が最も多く、全体の3割強。「新型コロナについて知りたい」「予防策について知りたい」という相談が続いた。

「不安だから相談した、という方が多かったようです。予防策については、自分の生活習慣のなかでできることはあるか、今やっている対策は正しいかといった相談が目立ちました」(林氏)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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