「試薬を使って、検体に含まれるウイルスの中から遺伝子を取り出すのですが、極めて微々たるものなのでそのままでは検出できません。このため遺伝子を増やす必要があるので、それで時間がかかるのです。当初は6時間くらいかかるといわれていましたが、いまは2時間くらいでできる試薬が開発されつつあります。検査の精度については、検体を採取した箇所によってウイルスが取れない場合もある。また、いつ感染したかにも左右されます。患者さんが排菌(ウイルスの排出)している状態なのか、そうではないかによって精度は全然違ってきます」

 東京都医師会は、都内8カ所に検査に特化した「PCRセンター」を設置することを決めた、その後、20カ所まで広げる方針だ。

「PCRセンターのような取り組みはこれから進んでいくはずです。そうなればクリニックと検体採取はうまく切り分けられていくと思います。技師会としても検査技師OBへの協力要請や、行政指導などで現役の技師も医療機関から派遣できるようになれば、バックアップしていきたい」(技師会の役員)

 一般の患者への感染防止や、医療従事者への感染を食い止めるためにも、検査体制のスピードアップが求められる。(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日オンライン限定記事