坂本:はい。僕を含めて皆さん再結集という形で、今回は宮川(浩)さんと、後輩の寺西(拓人)というのが新しいキャストで入ってます。

林:私、「ジュディ 虹の彼方に」を、5人ぐらいしかいないガラガラの映画館でマスクして見たんですけど、ライザ・ミネリがチラッと出てくるんです。一緒にいた若い人が「ライザ・ミネリのお母さん、ジュディ・ガーランドだったんだ」って言うからびっくりしちゃった。そんなこと常識だと思ってたから。

坂本:僕も、初めてこの作品をやらせていただくときにいろいろ調べたら、主人公のピーター・アレンよりもっとすごい人たちとかかわるんだなと思ってびっくりしました。今回、僕も映画の「ジュディ」を見せてもらったんですけど、あらためて作品の重み、深さを感じましたね。

林:ライザ・ミネリは、子どものときお母さんと葛藤があったみたいですけど、ジュディ・ガーランドという大スターと娘のライザ・ミネリとのからみの中に、男性として巻き込まれていくというお話なんですか。

坂本:というか、その渦の中にみずから入っていったというほうが近いと思います。人を愛し、ものを愛し、作品を愛し、男とか女とか、年上だとか年下だとかいうことではなく、純粋な愛というピュアさが、この作品の大事な核かなと思います。

林 結局、ライザ・ミネリとは離婚しちゃうんでしたっけ。

坂本:しちゃいますね。結婚して別れるまで一度も夜を共にしていないという不思議な夫婦で、そのあと、別れたにもかかわらず、お互いが支え合っているシーンもあって、非常に深い愛の形なのかなと思います。

林:(チラシの写真を見て)ライザ・ミネリ役の紫吹淳さんのこの脚の長さ! これ、加工してるわけじゃないですよね(笑)。

坂本:アハハハ、大丈夫です。“自前”です(笑)。

林:紫吹さんって、最近バラエティーによくお出になって、天然のおもしろい人というイメージが若い人に浸透してますけど、宝塚の伝説のトップスターだったんですよね。

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