アパグループの元谷外志雄代表 (c)朝日新聞社
アパグループの元谷外志雄代表 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)でホテル業界が頭を抱えている。増え続けていたインバウンド(訪日観光客)が消え、外出の自粛要請も追い打ちをかける。相次ぐ開業で勢いに乗っていた「アパホテル」も苦境に立つ。

「3月の稼働率が50%程度。4月はさらに厳しい状況です。月間稼働率が80%を下回ることなど、このところ一度もなかったことから、観光業界全体に多大な影響を与えていると感じます」(アパホテル担当者)

 そんな折、政府は重症者の対応を急ぐため、軽症者らを自宅や宿泊施設で療養させるように全国へ通達。アパホテルも一棟借り上げの形でこれに応じた。「4月2日に政府から打診をいただき、すぐに全面的に軽症者を受け入れる意向がある旨をお伝えしました」(同)

 ホテル評論家の瀧澤信秋さんはこう指摘する。

「都市部のビジネスホテルは稼働率が通常時の2~3割まで落ち込んでいます。政府からの借り上げの打診は渡りに船だったのでは」

 そして、アパホテルの立ち回りの巧みさを評価する。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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