人工呼吸器をこのメーカーに作るよう要請した、マスクが何億枚製造され、このようにして医療現場へまわるようにした、経済的損失をかぶっている????に対し、いくら予算をつけることにした、などだ。

 そして、布マスク2枚を約5千万世帯に配ることや、全国の学校を一斉に休校にしたことや、オリンピックで検査の初動が遅れたことなどの検証も、同時にされなくてはならない。緊急なのだから従えと国民に号令をかけるばかりじゃなく。

 そうそう、安倍首相が会見で「専門家の意見を伺った上で」と何度もいうが、自分のせいにならないよう保険をかけているように聞こえてしまう。まだ保険をかける余裕があるんだ、と思ってしまう。

週刊朝日  2020年4月24日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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