この晴明とゆかいな仲間たちみたいな空気感は夜のドラマじゃない、むしろ日曜の朝9時台。テレ朝お得意「仮面ライダー」や戦隊ものっぽい。
如月(きさらぎ、実は瀧夜叉[やしゃ]姫)役の剛力彩芽の顔に浮かび上がる青い隈取(くまどり)メイクも、いかにも悪役女性キャラ・瀧夜叉将軍という風情。
手に五寸釘と木づちを持つ姿、今にもZOZOの方角に丑(うし)の刻参りをお見舞いしそうで頼もしい。
その父・平将門を演じる菅田俊は、実際戦隊もので見たことある。黒ずくめのショッカーみたいな配下を従え、キバを生やして「うおおおっ」と叫ぶ姿。これだよねという安心感。
「天切る、地切る、八方切る」と、晴明がビシーッと呪文を唱えれば、悶(もだ)え苦しむ将門の口から人骨がダーッと吐き出され、ピカーッと光って元の人間の姿に戻ったよ。なんて素敵な東映まんがまつり。
来週あたりは採石場で、怨霊どもがすごい火薬量でバンバン爆破されてるはず。
そんな「五芒戦隊オンミョウジャー」とかあってもいいんじゃない。豪華すぎる配役だよ、特撮陰陽師。
そしてどんな陰陽師でも構わないから、今すぐウイルスを折伏(しゃくぶく)してほしい。
※週刊朝日 2020年4月17日号