「元々、共働きの家庭やシングルマザー・ファーザーをサポートし、孤食になりがちな子どもが友達と会話を楽しみながら食事ができる場を、と前代表が発案したのがきっかけでした。これまで約8千食を提供してきましたが、今回の臨時休校措置によって、給食で栄養補給していた子どもらの昼食に不安が出てきたこと、昼食費が家計を圧迫することを踏まえて、チャーハンの無料提供を始めました」(河尻崇伸店長)

 同店では感染予防には細心の注意を払って営業しているといい、3月末までの予定だった子ども用チャーハンの提供は、子ども用チャーシュー丼として4月10日まで延長。従来の「なんでも無料」は継続する。

 平日限定だが、前日までに予約すれば日替わり弁当を無料で入手できるのは、神奈川県横須賀市のこども食堂「よこすかなかながや」(和田信一代表)だ。

「従来は朝食を週5回、夕食を週3回提供していたのですが、朝食をやめてランチの弁当配布に切り替えたのです。3月5日から始めたところ、毎日60~70食のオーダーがあるんですよ。食堂のそばにある市のコミュニティーセンターの調理室で調理ボランティアが作り、取りにきてもらっています」

 栄養士がメニューを考え、衛生管理も指導。総菜は「小学校低学年の子どもが喜ぶようなもの」(和田代表)がメインで、唐揚げ、卵焼き、ハンバーグなどが日替わりで並ぶ。

「食材は、フードバンク4団体、農家2軒の寄付をベースに、農林水産省が企画した、学校給食用に納入予定だった食品の有効活用を利用させてもらっています」(同)

 5月1日まで弁当の配布を予定しており、「ボランティアさんを募集中」とSNSを通じて呼びかけている。

 愛知県豊明市では、市社会福祉協議会がキッチンカーで「走る子ども食堂」を企画。主に中学生以下を対象に、共働き家庭の子どもを預かっている児童館や、団地など1日2カ所を訪問し、鳥の唐揚げ付きカレーピラフを4月2日まで無料提供した。

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うつむき加減の子どもが元気に