事情聴取後、昨年もらった30万円は克行氏の政党支部からの献金として政治資金収支報告に新たに記載したという。

 さらに広島県大竹市の入山欣郎市長と三原市の天満祥典市長が広島地検から事情聴取を受けたことも明らかになった。

 捜査関係者によれば、ウグイス嬢への運動員買収で逮捕された克行氏の政策秘書、高谷真介被告と案里氏の公設秘書、立道浩被告の2人を3月24日に起訴して以降、捜査のピッチを上げているという。

「市長や県議の捜査をはじめた。多い日では、1日に5~6人の調べをしています。取り調べの日に供述調書を作成して、携帯電話の任意提出を受けている議員もいます」(捜査関係者)

 だが、前出のAさんはこう話す。

「しかし、検事は私らのような小物を捕まえても仕方ない。もっと上のえらい人を狙っているような気もしました。X県議じゃないか…」

 ターゲットとみられるX県議は、広島県議会の“重鎮”とされる大物で、河井夫妻との親しい関係にあった人物だ。1月に河井夫妻の事務所などが家宅捜査された同じ時期にX県議の事務所にも、広島地検は強制捜査に入ったという。

「1月にウグイス嬢の捜査の時から『自民党本部から検察に圧力をかけてもらっている』などと言い、えらく気にしていた。10回近く、事情聴取をされてるような話をしていた。X県議が河井夫妻とも仲がいいのは、有名です。東京の検察OBの弁護士がすでにX県議の代理人になっているそうだ」(広島の自民党関係者)

 本誌の取材でも、克行氏からカネを受け取ったという市議や県議がいる一方で、案里氏から受け取ったという人もいた。

「ポイントは克行氏と案里氏、どちらも直接、県議らに現金を渡しているという供述があること。2人とも公職選挙法の買収で立件の可能性がある。克行氏と案里氏が、手分けして県内の県議、市議をまわっていたことは押収した日程表や携帯電話のデータなど証拠から明らかだ。そこからみて、現金を渡したのは30人ほどいるんじゃないか」(捜査関係者)

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03と東京地検から電話が…