重松清「人間関係はタグ付けするようにつなげて、できてゆくもの」 (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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重松清「人間関係はタグ付けするようにつなげて、できてゆくもの」

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中村真理子週刊朝日
重松清(しげまつ・きよし)/1963年、岡山県生まれ。早稲田大学卒業。出版社勤務を経て執筆活動へ。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、同年『エイジ』で山本周五郎賞。2001年『ビタミンF』で直木賞を受けた。10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞。 (撮影/写真部・片山菜緒子)

重松清(しげまつ・きよし)/1963年、岡山県生まれ。早稲田大学卒業。出版社勤務を経て執筆活動へ。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、同年『エイジ』で山本周五郎賞。2001年『ビタミンF』で直木賞を受けた。10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞。 (撮影/写真部・片山菜緒子)

重松清さん (撮影/写真部・片山菜緒子)

重松清さん (撮影/写真部・片山菜緒子)

 気になる人物の1週間に着目する「この人の1週間」。今回は家族をテーマに物語を紡いできた作家、重松清さん。最新刊の『ひこばえ』は父の死という終わりから始まる物語。父から子へ、命には限りがあっても、何かが次の世代に手渡されていく。

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*  *  *
 毎年春になると、知らないところで新たな読者との出会いが生まれている。それは、入学試験であり、教科書であり──。

「嫌々読まされる子もいるだろうな。現存する作家で一番、顔に落書きをされていると思うよ。それでも出会いの場が増えるのは幸せなことだよね」

 試験問題に頻出する作家は、そう笑う。2月16日からの1週間は、大学の先生で、ルポライターで、一人の作家という、様々な顔がすべて詰まっている。

 早稲田大学で教鞭をとる。ときおり「中学のときに読んでいました」とぼろぼろになった文庫本を見せてくれる学生がいるそうだ。かつて重松作品を読んでいた子どもたちが、大学生になって会いに来る。

 2月16日に「劇団あはひ」の公演があった。学生時代に「夢の遊眠社」を見て以来という久しぶりの本多劇場。主宰する大塚健太郎さんは早大の在学生で重松さんの授業を受けている。

 大塚さんとの出会いは印象深い。大教室の授業のあと、見慣れぬ学生がやってきてこう聞いた。「先生、僕のことを覚えてますか」

「心当たりがなくて。よく聞けば、彼が小学5年生のときに、朝日小学生新聞の子ども書評委員として僕を取材していたんだって」

「あいみょん」の歌詞が心に刺さることを知っているし、YouTubeだって見る57歳。学生と付き合うようになって知った磯丸水産をモデルにした居酒屋が小説には登場する。

「自分の子どもより若い学生と会えることは今後、作家としての武器になるだろう。思い知らされることも多いけれど」

 教え子から作家も生まれた。この春に卒業する北川樹さんは、2月に幻冬舎から『ホームドアから離れてください』を刊行し、デビューした。重松作品との出会いは、高校2年の国語の問題集だったというから驚く。


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