ジム・ロジャーズ「東京五輪が1年延期されても日本経済は救われない理由」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ジム・ロジャーズ「東京五輪が1年延期されても日本経済は救われない理由」

連載「2020年、お金と世界はこう動く」

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ジム・ロジャーズ週刊朝日#2020東京五輪#ジム・ロジャーズ
ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう

ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう

東京五輪延期が決まったIOCとの電話会議 (c)朝日新聞社

東京五輪延期が決まったIOCとの電話会議 (c)朝日新聞社

「世界3大投資家」の一人とされるジム・ロジャーズ氏の本誌連載「世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く」。今回は東京五輪延期後の日本経済について。

【写真】東京五輪延期が決まったIOCとの電話会議の様子

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、この夏に開催される予定だった東京五輪・パラリンピックが延期となり、2021年夏までに開催される方向になった。安倍晋三首相の提案を国際オリンピック委員会(IOC)が承認した。

 東京五輪が「中止か延期か」で検討されたというが、そもそも日本が「中止」という判断をすることはありえない話だった。なぜなら、新型コロナウイルスの被害状況は、メディアが言うほど悪くないからだ。

 新型コロナウイルスで世界での死者数が2万人を超え(3月26日現在)、なお増え続けている。もし、自分がそのうちの一人なら、大変なことだ。気の毒なことではあるけれども、亡くなった人たちの多くは、持病など何らかの健康問題を抱えた高齢者たちだ。

 米国では毎年何万人もがインフルエンザで死亡し、17~18年シーズンには死者数が6万人を超えた。世界でも何十万人がインフルエンザで亡くなっている。それでも、人々は今ほどヒステリックにはならなかったし、誰もニューヨークに行くのを怖がらなかった。

 人々は新型コロナウイルスの正体がわからないから、実際にもたらされている被害以上に怖がり、パニックに陥っている。家に閉じこもって、新聞やテレビ、インターネットで新型コロナの被害を伝えるニュースを見ていると、恐怖が増幅され、パニックに拍車がかかる。

 しかし、今、現実に起こっている出来事は、世界中で巻き起こっているパニックほどは酷くない。だから、この状況で、日本が東京五輪を中止する理由はない。延期の提案は極めて妥当だ。

 ただ、東京五輪が延期になったら、ホスト国である日本の経済は無傷ではいられないだろう。インバウンド(訪日外国人観光客)の数が予想したよりも減り、日本国内での消費も期待よりも減ってしまう。経済は少しの間、停滞するかもしれない。新型コロナの終息はいまだ見通せていない。これから1年の延期により、お金を失う人がもっと多く出てくるだろう。


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