「このような競技は1年前のランキング争いが終わった段階でのランキングも判断材料になるので、五輪開催時に、代表選手よりも選ばれなかった選手のほうがランキング上位にいる可能性はあります」

 一方、不調が続いていた競泳男子の萩野公介(25)や交通事故でけがをしたバドミントンの桃田賢斗(25)のように、延期を追い風にできそうな選手もいる。

 白血病で闘病中の競泳女子の池江璃花子(19)が奇跡の代表入りをする可能性については、

「さすがに厳しいでしょう。最近の写真を見ても、筋肉がかなり落ちているようです」

 重量挙げ女子の三宅宏実(34)やソフトボールの上野由岐子(37)ら、年齢的なピークが気になる選手も存在する。

「五輪で引退と宣言していたスポーツクライミング女子の野口啓代(30)も、『気持ちの整理がつかない』と言っていました。何を目標にすればいいのかわからなくなる選手は、この先も出てくるでしょうね」

 スノーボードとスケートボードの「二刀流」に挑戦中の平野歩夢(21)はどうか。

「(スケートボードに専念して)冬はやらない可能性はあるでしょうね。北京冬季五輪は東京五輪の1年後ですからね」

 延期が作り出すドラマがハッピーエンドになることを期待したい。(本誌・太田サトル)

週刊朝日  2020年4月10日号