──緊急事態宣言の必要性はありますか。

 今後ますます感染が広がっていけば、そういう事態もあり得るだろう。

──7月には都知事選もあります。自民党は対立候補を立てずに小池百合子都知事の続投を支持すると表明しました。

 以前から私は「小池さんに勝てる候補はいない。誰が出たって同じ」と言っているじゃない。勝てる候補を自民党は出せないよ。二階(俊博・自民党幹事長)さんや武部(勤・元幹事長)さんとの会合でもそう言っておいたんだ。二階さんは笑ってた。自民党都連は反対しているようだけどね。

──丸川珠代さんや、れいわ新選組の山本太郎さんが出るという噂もあります。

 丸川さんは難しいだろう。山本さんはあまり知らないんだよ。いずれも負けるとわかっていて出てこないと思うよ。

──山本さんは小泉さんと同様に、脱原発を訴えています。

 原発ゼロは野党と協力しなければいけない。原発ゼロを推進するドイツも与野党が一致して進んだ。自民党、いや安倍さんが言えば、野党はもちろん党内でも反対するのは少ないよ。

──国会では森友問題が再燃しています。財務省の佐川宣寿・元国税庁長官らの指示で公文書を改ざんさせられ、自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫さんの「遺書」が公開されました。

 週刊文春に載った、奥さんが公開した手記は読んだよ。財務省、ひどいじゃないか。あんなことをやっていたんだね。

──安倍首相の責任についてどう思われますか?

 あるよ、十分に。そもそも公文書改ざんは、安倍さんが「自分や妻が関わっていたら総理も国会議員も辞める」と国会で言ったことから始まっている。私はその発言を聞いたとき、辞めざるを得ないなと。なんであんなこと言うのかと思ったよ。

──森友学園に安倍首相が関わっていたとお考えですか。

 誰が見たって関わっていたというのはわかるじゃないか。夫人が名誉校長になっていたわけでしょ。安倍さんはあの状況で関わっていないことをどう証明するのかね。嘘を言っているということだろう。

──赤木さんの奥様は財務相のお墓参りを希望されていたのですが、実現していません。

 どう判断するんだろうね。国会で総理は関わっていたら辞めると言ったんだから、いずれ責任を取って辞めざるを得ないという考えは変わらないね。

──国会で追及されている「桜を見る会」でも公文書である名簿が破棄されています。

 あの問題もね、よくこんなことしたなってあきれていたよ。長期政権で自信をつけているんだろう。

【後編に続く】

(構成/本誌・秦正理)

週刊朝日  2020年4月10日号より抜粋

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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