1年延期で膨らむ大会費用は、数千億円規模とみられる。大会組織委員会は約3500人の陣容で、都から約3割、国・自治体から約15%のほか、残りは直接の雇用者やスポンサーなど企業からの出向。1年延長で人繰りや人件費負担だけでも大変だ。

 大会ボランティアは組織委の8万人、都市ボランティアの4万人超の計12万人超の予定だったが、来年も同じ人が参加できるとは限らない。新規募集などの作業も生じる。大会会場も改めて確保する必要がある。組織委の2019年度の予算書を見ると、人件費といった諸経費のなかで委託費だけでも1千億円を超えている。

 大会スポンサーも、国際オリンピック委員会と契約するトヨタ自動車のように24年までのところもあれば、組織委と契約する明治のように今年末までの企業もある。同社広報担当は「引き続き(国内最上位の)ゴールドパートナーとして貢献していきたい。(今後のことは)組織委に確認している」と言う。

 前出の鈴木さんは「経済影響を極力少なくするため、政府が財政負担で、という方向ではないでしょうか」と話す。最終的には国民負担につながりそうだ。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年4月10日号