安倍首相(右)に申し入れをする小池知事=3月26日 (c)朝日新聞社
安倍首相(右)に申し入れをする小池知事=3月26日 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期が決まった翌日の3月25日。東京都の小池百合子知事は会見を開いて「ロックダウン(都市封鎖)」をちらつかせながら週末の外出自粛などを呼びかけ、スポットライトを浴びた。

【写真】小池知事を支持する都議会の“ドン”

 その後も周辺4県の知事とのテレビ会議や安倍晋三首相への申し入れ、テレビ出演を次々とこなした。7月5日投開票の都知事選に向けた猛アピールにも見える。

「先週末まで小池知事の独壇場でしたね。だけど、官邸サイドでは安倍首相主導のシナリオを考えていて、小池知事と主導権争いの様相です」(自民党秘書)

 厚生労働省など関係機関は都市封鎖のシミュレーションを開始しているという。

 東京の感染者は計300人を突破し、全国1位。ある自民党都議は冷ややかに話す。

「日本でロックダウンをしても、外出したら警官が逮捕するというようなことは法律上できないんです。日本のは新型インフルエンザ特別措置法であって、あくまでも自粛要請で、自宅にいてくださいというお願いでしかないですから」

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら
次のページ