小林:だってやっぱりコワいから……(笑)。

林:「私と息子は行きつけの洋食屋さんとか焼き肉屋さんに行って、『キャンティ』はお父さんにおまかせしてます」って書いてありますけど、本当なんですか。

小林:本当です。3人で行くときは高いお店に連れてってもらいますけど、私が息子を連れていくときは、回転ずしとか洋食屋さんとか、手ごろな焼き肉屋さんとかです。

林:お料理、お好きなんでしょう?

小林:嫌いではないです。家事の中では料理がいちばん好きかな。掃除とか洗濯よりも。

林:田邊(昭知)社長といえば、今や「業界のドン」と言われるようになって。

小林:そんなこと言われてますね。

林:以前、歌舞伎俳優さんの結婚披露宴に行ったら、年配の方から若い方まで、み~んなが行列になってあいさつに行く人がいて、「誰?」って聞いたら、「田邊さんだよ」って。すごいんだなと思いましたよ。

小林:そうなのかな。ぜんぜんわかんないけど。

林:おうちでは、いいお父さん?

小林:息子が思春期になるまではほんとにいいお父さんで、学校の行事とかもほぼ皆勤。土日とかは子どもとゲームセンターに行ったりしてましたよ。

林:そういう写真は、一度も出なかったですよね。写真週刊誌がいっぱいあるのに。

小林 だって、私ふつうの人だし。ほんとに当たり前の毎日を送って、人目とか気にしたことなかった。

林:よく男性週刊誌なんかで「70年代のいい女特集」とかやるじゃないですか。でも、たぶん編集部が勝手に忖度して、ビビって小林さんを消すんですよね。ご主人が偉い方だから。私、「それはおかしい」ってエッセーに書いたんですよ。みんなのミューズだったのに。

小林:ありがとうございます。書いていただいてうれしかったです。

林:でも、奥さまが世の中にまた出てきてくれて、こんなに喜んでるファンがいるということを、ご主人も忖度してほしいと思いますよ。

小林:うふふ。今日はいろいろほめていただいてありがとうございます(笑)。

(構成/本誌・松岡かすみ、編集協力/一木俊雄)

週刊朝日  2020年4月3日号より抜粋