小林:泣いた。「近々会おうね」と言って、それから5~6日後に「キャンティ」で二人でごはん食べた。

林:ワオ~、なんかすごいな。

小林:28年ぐらいの空白がぜんぜん飛んじゃって、まるできのう一緒にごはん食べてたみたいな感じで、いつもの席でいつものものを食べて。

林:ステキです!

小林:30年近く会わなかったけど、彼女はずっとスーパースターでいて、私は母親の日常しかやってなくて、それでもぜんぜん違和感なかったんですよ。それは自分でも不思議でしたね。

林:今年は苗場のユーミンのコンサートへ行って、「雨音はショパンの調べ」を二人で歌ったんですよね。ユーミンが1番を歌って。

小林:ええ。私が2番を歌って、そのあとデュエットで。私、35年前にも苗場に行って、あの歌を歌ったんです。あの歌がちょうどヒットした年だったので。それから35年経って、「こんな日がまた来るとは思わなかったよね」「いろんなことがあったよねえ」って、また抱き合って泣いちゃった。私たち年とったから涙もろくなって、すぐ泣くの(笑)。

林:でも、小林さんがデブのおばさんになってたら、抱き合って泣いたかどうかわかんないよ。ユーミンはそういうところシビアだと思いますよ。彼女がうれしくて泣いたのは、「私の麻美が美しいままでいてくれてありがとう」というのがあったと思うな。

小林:もう林さん、作家だから勝手に妄想してる(笑)。

林:友情が復活して、そのあともしょっちゅう会ってるんですか。

小林:けっこうごはん食べに行ったりして会ってる。

林:ほんとうれしいですよ。二人の友情がまた復活して。

小林:自分でも不思議。なんでこんなに違和感ないんだろう。

林:すごく似てるんだと思うな。

小林:まったく正反対なんだけど、根本は似てるかもしれない。選ぶものとか、男の人の趣味とかはまったく違ったりするんだけど。

林:ユーミンは面食いですよね。

小林:(松任谷)正隆さんカッコいいもんね。私は面食いじゃない。

林:本の中で、最後に「彼のことを話すのは、45年で初めてです」ってあって「オッ」と前のめりになったら、そこまでは話してないという感じだった(笑)。

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