リーマン・ショックでは、金融システムへの不安が引き金になり、実体経済へと影響が広がった。これに対し、今回の経済危機は、感染防止のため、さまざまな経済活動を「自粛」したことによる需要の急激な縮小が実体経済を直撃している。

 東京商工リサーチ情報部の原田三寛部長は言う。

「リーマン・ショックの場合と比べ、実体経済へ悪影響を及ぼすスピードが速く、金融政策による下支えではとても間に合わない」

 梶山弘志・経済産業相が6日、全国信用保証協会連合会に、打撃を受ける中小企業に対して適切かつ迅速な対応を求めた。決算期末を迎えた企業が、急場をしのぐ資金手当てができれば、短期的な企業倒産を抑えることが期待される。

 しかし、3月末の危機を乗り切ったとしても、感染拡大が終息するめどが見通せない限り、企業や消費者の自主防衛の姿勢が解け、経済活動が正常に戻ることは期待できない。(本誌・小島清利)

週刊朝日  2020年4月3日号