一時下げ幅が500円を超えた日経平均株価 (c)朝日新聞社
一時下げ幅が500円を超えた日経平均株価 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、金融市場の動揺は収まる気配がない。

 西村康稔経済再生相は3月19日の閣議後の記者会見で、感染拡大による経済への影響について、こう考えを示した。

「非常に大きなものがあり、(2008年の)リーマン・ショック並みか、それ以上になるかもしれない」

 安倍政権は、昨年10月の消費税率10%への引き上げを巡り、「リーマン級の出来事が起きない限り、実施する」との方針を繰り返し、予定どおり実施した。

 今回、西村氏が「リーマンの影響を上回る」可能性を指摘したことは、政府が「消費税率引き下げ」を含む政策の総動員で危機回避に臨む姿勢を示した格好だ。

 政策の総動員はすでに金融政策で始まっている。日本銀行は16日の金融政策決定会合で、年6兆円としている上場投資信託(ETF)の購入目標額を12兆円に倍増すると打ち出したほか、大企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)・社債の購入、中小企業の資金繰り支援のための金融機関向けの資金供給の拡充を決めた。

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