「正月でも関係なしに、秘書が自宅までやってきて『案里氏に電話してくれ。打ち合わせをしたいと言っている』などと頼んできました。ついには『案里氏の弁護士に連絡を』と電話番号を書いた紙も置いていきました。その秘書も河井夫妻にどやされ、パワハラで行かされている、それが河井ルールです。逮捕された秘書も含めて、気の毒だな思います」

 案里氏自身も昨年12月末、選挙にかかわった人に何度も電話をかけ、「大事な話がある」と留守番電話にメッセージを残していた。3人は起訴後、公職選挙法で金銭を受け取ってはいけないと定められたスタッフに、現金や振り込みなどで報酬を支払っていた、運動員買収で再逮捕される可能性もあるという。

「案里氏が自ら辞職しない限り、3人を起訴した時点で連座制、100日裁判の申立てとなるだろう。問題は、関係者がみんな、選挙の実務の全てを取り仕切る実質的な最高責任者であると述べている供述調書もある。克行氏の責任を問えるかだ。前法相という肩書は、法務検察にとって重いもの。現場では、ほぼ証拠は固まりつつある。後は上の決断ではないか。官邸の門番と呼ばれる黒川高検検事長の定年延長がどう影響するかだろう……。しないことを願いたい」(前出の捜査関係者)

(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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