「ほんとにたくさんいらっしゃったんですね。びっくりしました。山田洋次監督がこの様子を見たら、嫉妬するんじゃないかな」

 出演する俳優、橋爪功が、そうコメントするほどの盛況だった。ここは、2021年春に公開の映画『お終活 熟春! 人生、百年時代の過ごし方』の製作発表記者会見の会場。

 常磐線の南柏駅から、冷たい春の風に吹かれながら線路沿いを歩くこと20分。赤外線体温計をおでこに当てて発熱チェックを受けたあと、同映画の撮影場所になっているという結婚式場「ロイヤルガーデンパレス 柏 日本閣」(千葉県流山市)の会見場に入ると、そこは報道陣でごった返す別の世界が広がっていた。

 会見が開かれたのは、新型コロナウィルスの影響で、芸能界の多くのイベントや発表会が軒並み中止や延期に追い込まれていた3月16日。この週、久々に開かれた2つの豪華会見のひとつだったからだろう。地の利の悪さにもかかわらず、ざっと100人近くの報道陣が集まった。

 ちなみにもうひとつの豪華会見は、翌日に開かれた映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』のトークイベント。終了後、いまだに不倫騒動渦中にいる俳優、東出昌大が1人で謝罪会見をおこなったアレだ。

 一方、この日「お終活」の川田亮プロデューサーは、作品の意図をこう説明する。

「終活イコール死に支度という暗いイメージでとらえる人もいる。でも終活は最大の『人生整理』であり、終活後にこそ、新たに明るい人生がある。親子の二世代間交流も描きながら、香月監督の脚本と演出、そして出演者陣の多彩な演技で、見せていきたいですね」

 豪華キャストも注目されている。会見にはそのなかから、結婚50周年を迎える夫婦を演じる橋爪功と高畑淳子のほか、主演の水野勝(BOYS AND MEN)や松下由樹らが登場。なかでも多くの報道陣のお目当てとなったのは、橋爪功、高畑淳子が演じる熟年夫婦の娘役で、6年ぶりの映画出演となる剛力彩芽だ。

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