林:当時の女の人って、あんなふうに片膝を立てて座ってたんですか。正座じゃなくて。

石川:それ、私も聞きたい。

林:大河は時代考証の方が何人もいらっしゃるから、それが正しいんでしょうけどね、たぶん。

石川:「史実に基づくと」と聞いてます。今までも大河であの時代をやるときに、立て膝でやろうと試みたんだけど、途中で挫折して正座になってしまったので、今回は忠実に再現したい、ということだったんです。ああいう座り方にも女の年のとり方が見えるのかなと思ってやってみてるんですけど、けっこう無理な体勢で、股関節が痛いの(笑)。

林:しかも板の間だから痛そう。でも、石川さんみたいなお忙しい歌手の方が、よく大河出演のオファーを受けましたよね。すごく時間取られるでしょう。

石川:時間は確かに、思った以上に(笑)。だけど私は歌の活動があるので、「月のうち、この1週間だけ」という形で組んでくださって、ダーッと集中して撮っていただくんです。撮影の1週間は、朝から夜までビッシリという感じですね。おもしろい経験です。

林:俳優さんたちとも仲良くなりました?

石川:はい。お雛さまの日のとき、私はコンサートが延期になって、麦ちゃんも池袋の東京芸術劇場の芝居が中止になりまして、「じゃ、うちでお雛さまやる?」なんて言って、うちに来てもらってごはん食べました。

林:まあ、ステキ。お料理お上手そうですね。

石川:ふつうのお母さん級(笑)。

林:今、新型コロナウイルスの影響でコンサートが軒並み中止になってますけど、中止にすると、お金の面ですごく大変なんでしょう?

石川:そうです。ミュージシャンにしたって、1本ずつのギャランティーで仕事をしていただいてますからね。主催する側もそうだし、大きなお金が動くわけですよね。

林:皆さん文句も言わずに堪えてますけど。

石川:コンサートを中止したり延期して喜ぶ人は一人もいないんです。今みんながちゃんと考えて、えたいの知れないウイルスの蔓延を終息させるために、ここはグッと耐えての中止だったり、延期だと思うんですよね。

林:そうは言っても、小さいところは大変だと思いますよ。小さな劇場とか、あんまりお客さんは来ないけど頑張ってるような人たちは。

石川:みんな大変です。でも、命の問題ですからね。足並みをそろえることは必要だと思います。それに対して国がどんなふうに守ってくれるのか、そこは安倍さんもちゃんと考えていただきたいなと思いますね。

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