プロ野球は12日の12球団代表者会議で開幕を最短で4月10日に設定するとした。ただ、これも国内の感染状況の変化、政府の方針で遅れる可能性はある。日本国民が前を向ける状況になった時に動ける準備は常にしていてほしい。医学的見地からの提言を求めていた「新型コロナウイルス対策連絡会議」から応援スタイルに対する厳格な指針も示された。ファンの方々にも相当な負担を強いるが、早く試合を見たいという思いをかなえるには、球団も、選手も、ファンも相互に努力していかなければならない。

 当初の3月20日開幕から最短の4月10日開幕でも20日間以上延びる。一定のピークを持っていこうとした選手が、さらに20日間調整を余儀なくされる。投手は特に難しい調整だ。しかも、この期間に投げすぎれば、シーズン合計の投球回にも影響する。

 当初3月20日から行われる予定だった公式戦の対戦カードに沿って、練習試合が行われるという。ただ、本当に開幕へ現場と球団が万全の準備、とりわけ選手への感染リスク回避を徹底するなら、東西に分かれて1カ所に集まっての試合開催も考えるべきだった。すでに球場は押さえてあるからとか、各球団による思惑のぶつけ合いだとしたら、首をひねるばかりである。

週刊朝日  2020年3月27日号

著者プロフィールを見る
東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

東尾修の記事一覧はこちら