それから、厚生労働省にも取材をかけた。Twitterの内容についてだ。

 番組によると、担当者が出てこう答えたようだ。

「『マスクの優先供給を行った』については言いすぎた表現。『行っている』『開始した』が正しい」

 日本医師会などのルートを活用した優先配布のくだりは、「訂正したい。そんなことは国会でも言っていない」と。

 厚生労働省はなぜ、適当なことまでいって、番組を萎縮させたかったのだろうか。解せない。と思っていたら、3月7日の毎日新聞がすっぱ抜いた。

「首相官邸幹部は『事実と異なる報道には反論するよう指示した』と明かした」

 安倍自民に任せていたら、この国は終わるんじゃないか。多くの人よ、一日も早く気づいてくれ。デマでもいいという感覚で、情報を統制しようとする者の本質を。

週刊朝日  2020年3月27日号

著者プロフィールを見る
室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

室井佑月の記事一覧はこちら