宿泊客が減少したホテルの掃除を請け負うメンテナンス業者は、「ホテルとの契約で、最低保障は70%と決められているのに、15~20%しか支払いができないと言われた」と嘆いていたという。

 経済産業省によると、主に下請け業者からは、納期の遅れを理由として一方的に取引を停止されたり、適正なコスト負担もなく短い納期での発注を受けたりした、などの相談が多く寄せられているという。

 こうした状況を受け、同省は10日から各業界団体を通じて親企業に対し、損失補填(ほてん)を求めず、納期について柔軟な対応を行い、取引を継続的に実施する、ことなどを要請している。

 前出の担当者は、

「厳しい状況が続いているが、支援策を活用するなどして、なんとかあきらめないでほしい」

 と話している。(本誌・上田耕司)

週刊朝日  2020年3月27日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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