地域性とは別の角度から合格者数を分析してみよう。男子校、女子校別のランキングだ。大学通信の安田賢治常務に読み解いてもらった。

 男子校の東大合格者ランキングに並ぶのは、開成、筑駒、麻布(いずれも東京)と、全国区とほぼ変わらない中高一貫校だ。一方、女子校で、東大合格者首位はやはり桜蔭(東京)。2位の豊島岡女子学園(同)と40人近く合格者数に差をつけ、圧倒的な強さを見せた。3位、4位には、同じく女子御三家の女子学院、雙葉(ともに東京)がランクイン。躍進が目覚ましいのが、5位の洗足学園(神奈川)だ。

「音大の付属校ですが、進学指導にも力を入れ、東大合格者数が増加しました。同じ県で女子校トップだったフェリス女学院と肩を並べるところまできています」(安田さん)

 京大の合格者ランキングには、女子学院、鴎友学園女子、豊島岡など、東京の私立女子校が名を連ねた。

「女子学院は制服なし、細かい校則なしの自由な校風で知られます。学生自治を重んじる京都大学とは建学精神に通じ合う面も多いのでしょう。東大に強い桜蔭とは対照的に、女子学院では京大志向が増加傾向にあります」(同)

 東京から京都の大学への進学はこれまで、医大・美大志望者など一部の受験生に限られた選択肢だった。しかし、近年ではその潮流も変わりつつあるようだ。「東大一極集中」から、新しい多様性の時代へ移りつつあるのかもしれない。

 今年の入試の速報は2020年3月20日号に詳しく掲載されている。

表の見方
大学通信調べ。合格者数は各高校への調査による。
非公表・未回答の高校は掲載していない。
◇=国立、○=私立、無印は公立。

(本誌・松岡瑛理)

※週刊朝日3月20日号に加筆