ペットと飼い主が一緒に入れる墓。犬や猫の姿をあしらった石像が置かれている=メモリアルアートの大野屋提供
ペットと飼い主が一緒に入れる墓。犬や猫の姿をあしらった石像が置かれている=メモリアルアートの大野屋提供
墓石の購入額は平均は160万円 (週刊朝日2020年3月20日号より)
墓石の購入額は平均は160万円 (週刊朝日2020年3月20日号より)
失敗しないためのポイント (週刊朝日2020年3月20日号より)
失敗しないためのポイント (週刊朝日2020年3月20日号より)

 今年の春のお彼岸は3月17~23日。最近は弔(とむら)い方の選択肢は、一般的な墓地に加え、納骨堂や樹木葬などいろいろ。「墓じまい」も増え、引っ越し先をどうするか悩む人も多い。家族で将来のことを考えるこの時期、失敗しないお墓選びを解説しよう。

【失敗しない5つのポイントはこちら】

 墓石を建てる一般的な墓の人気も根強い。最近はペットと一緒に入れるタイプもあって、消費者のニーズに合わせて多様化している。

 全国の石材業者約300社が参加する「全国優良石材店の会」によると、縦型だけでなく、横型に「愛」や「夢」といった好きな言葉を入れる洋風のデザインも増えた。

「オーソドックスなものよりも、『自分らしさ』を求める傾向が強くなっています」(同会の担当者)

 家計が全体的に苦しくなるなかで、墓石の価格は減少傾向だ。同会の19年の調査では購入額の平均は約160万円で、04年に調査を始めてから過去最低となった。複数の業者の値段を比較すべきだが、安すぎるモノは要注意だ。

「ネットではあり得ないほど低価格の墓石も売られています。質の悪い石材が使われていたり、後から追加費用を請求されたりするケースもあります」(石材業者)

 墓のタイプや形はいろいろあるが、葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子さんは場所を優先するべきだと助言する。

「価格や広さ、デザインなど、自分の希望に合うものを総合的に検討しますが、お参りや管理がしやすいものを優先しましょう。せっかくお墓を移すのに、行きにくい場所では意味がありません。いくつか見比べることをお勧めします。実際に足を運んでみると、雰囲気や管理の状況もわかります」

 引っ越し先が決まったら手続きだ。まず、移したい寺や霊園の管理者から「受け入れ証明書」をもらう。引っ越し先が決まっていない場合は、自治体の窓口に事情を説明して認めてもらう。

 続いて、今の墓がある自治体の「改葬許可申請書」を用意する。死亡者の氏名や本籍、火葬・埋葬場所などを書き込んだら、今の墓地の管理者に署名・押印してもらう。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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