林:す、すごい……。話題を変えて、今の若い女性って、私から見ると恵まれてるように見えるのに、いま一つ充足感がない感じがしませんか。

勝間:男の人も女の人もそうなんですけど、単に会社に勤めてるだけで、昇給しないのがいちばんつらいんだと思います。だからどうやって技能をつけようかとか、どうやってステップアップしようかみたいなことをたくさん考えてるんで、私は今の人って大変だなと思って見てますね。特にお見合いの制度が今はすたれちゃったので、ボヤボヤしてると結婚できないんですよ。なので、みんなすごく婚活頑張ってますよね。

林:みんな結婚したいの? したくないの?

勝間:したいんですよ、女子は特に。20代後半、30代の女子たち、すごく結婚したがってます。

林:このままでは少子化がひどいことになって、去年1年で鳥取県の全人口に近い人数が日本から消えちゃったそうですもんね。勝間さんに少子化対策担当大臣にでもなってもらいたいけど。

勝間:私、少子化の本を書いたことがあって、初の少子化対策担当専任大臣の猪口邦子さんとの共著なんですけど、少子化の一番の問題は、子どもを育てるお母さんにお金とか時間が足りないことなんですよ。そこに向けて国とか社会が、やさしい気持ちとかお金とかを振り向けないと難しいことがわかってきてるんです。たとえば日本の会社って、子どもを持って働いた瞬間に、ほぼ出世はアウトですよ。あの仕組みはどうしようもないんです。

林:はい……。

勝間:一つはっきりわかってる指標があって、子どもの数と時間当たり生産性はものすごく連動するんです。1時間当たりたくさんお金を儲けられる社会は、長時間労働をしなくてすむので、子どもがたくさん生まれるんです。だから日本の抜本的な少子化対策は、実は長時間労働の撲滅なんです。これは男女ともに。でも、残念ながら日本政府はそこまで頑張ってないんですよ。

林:私、きょう週刊誌の連載の原稿を担当編集者に渡しましたけど、その編集者はお母さんで、「きょうは帰りが遅くなるので、子ども二人、家でカップ麺を食べてもらってる」って言うんです。それを聞いて、私も午前中か午後早い時間に原稿を渡せるように、ずっと頑張るようになりました。

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