家電の購入は、必要とする機能などを明確にしておくことも大切だ。小口さんはこう助言する。

「洗濯物を干す人に洗濯機の乾燥機能は不要です。家電は自分の生活に合ったものを買うほうがいい」

 不要な機能は故障原因を増やすだけ。とはいえ、高い位置にある物干し竿には干しにくいという高齢者にとっては、乾燥機能があるほうがありがたいこともある。得平さんは「70代では脚立に上り倒れる人もいるので、3~5年先を考えて買うほうがいい」と話す。

 近藤さんも「自分の使い方を理解しておかないと不要なものを買ってしまう」と注意する。冷蔵庫はメーカーにより特徴があり、家族構成はもちろん、野菜をたくさん入れたいのか、冷凍庫に多く入れたいのか、などを明確にしたほうがいいという。

 冷蔵庫の容量は4人家族で450~500リットル、2人で350~400リットルが目安。得平さんはこうみる。

北海道は魚がおいしく、2人の世帯でも大きな冷蔵庫を買う人が多い。400リットルも500リットルも電気代はそんなに変わらないので、大きいものを買うほうがいいです。冷凍庫も冷蔵庫も入れておくものは、容量の7、8割にとどめたほうがエコにもなります」

 何度も買い物するのが面倒という高齢者に対しては、まとめ買いしたものを入れられる大きめの冷蔵庫を得平さんは勧める。洗濯機も大きいほうが洗浄力はよくなり、まとめ洗いや毛布などの洗濯もできると話す。

 さらに、ネットで安さを求めるあまり、実物の確認を怠ると失敗しかねない。掃除機は店頭で手に取り、動かしたほうがいいと小口さんは勧める。持ったときに重すぎないか、モーター音が大きすぎないか、動かすとわかる。調理家電は写真だと小さめに見える。サイズ感は店頭で確認しておくのがいい。

 掃除機は住宅の広さも関係する。60~70平方メートルのマンションならスティック式でもいいが、戸建てで100平方メートルを超えると吸引力の強いキャニスター式がいいと、得平さんはみている。階段のある家では、両タイプを使い分ける人も増えているという。

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