岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、チリ・サンティアゴの「卵屋の猫」です。

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 サンティアゴ庶民の台所、ベガ市場。朝の忙しい時間が終わると卵屋さんは一息つき、割れてしまった卵を猫たちにやる。

 写真に写っていないが左側にもう一匹、黒猫がいた。その黒猫と椅子に陣取る白黒猫は、わずか数メートルをめぐって、毎日激しい縄張り争いをする。その有り余るエネルギーの源は栄養満点の卵だよ、と店主が笑う。

 寒暖差の激しいチリ。この日も朝は8度、昼は30度。猫より人の方が参ってしまいそうな気候に「僕にも卵を」とお願いしたくなった。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2020年3月13日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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