原:着物は柄と柄を組み合わせてもまとまってしまう。今、若い方が無地の地味な着物にちょっと柄があるぐらいの染め帯をしているけれど、せっかく着物を着るんだったら柄と柄を合わせてもいいのになと。たぶん良いお手本がないんだろうと思って。余計なお世話は承知です。

林:確かにちょっと変わりました。毎年成人式の着物を見るたびに、高いお金出してなんでこんなものを着るんだろうと思ってたんですが、最近の若い子、「ママ袖」と言って、お母さんが成人式で着たときの着物のほうがいいじゃん、個性的じゃん、と思い始めたみたい。

原:それに気がつくのはいいんだけれど、お母さまのを着せようと思っても、実際に下着をつくったり小物を買ったり、着付けを頼むとけっこうなお金になるから、だったら一式借りちゃったほうが安いし手間もかからないと結局借りることになるそうです。

林:私、娘の成人式のとき、京都の和装小物のお店まで、かんざしとか小物を全部買いに行きましたよ。そういうのは娘を持つ親の楽しみですからね。成人式にはいい着物を着せたいと思って。

原:思いっ切りいい着物なんでしょうね。

林:いや、そんなにいいのじゃないです。ぜんぜん使ってないクロコのバーキンを売りに行ったら、けっこういいお金になったので、それを娘の振り袖代に使ったんです(笑)。

原:ちゃんと投資が役立ったんですね(笑)。私、残念だけど、エルメスのバッグは持ってない。

林:えっ、そうなんですか。

原:ケリーは仕事向きではないし、バーキンは何も入れなくても重いし、時機を失しました。すごく若いときはクロコの大きいのに憧れて、年を取ったらと思ったこともあったんですけどね。

林:原さんは毎年パリコレを見に行ってたんですよね。ああいうとき、編集の人とか皆さん帰りにショッピングに精を出すんじゃないですか。

原:私は会社から行くわけではないので一人のことが多いから、あんまりショッピングに精を出すことはなかった。80年代はそれなりに買ってたと思うけれど。

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