1軍にいればこそ、若手選手にさまざまなアドバイスも送れる。ベテランというものは、ずっと2軍にいると孤独になる。若い選手も声をかけづらくなる。大輔はもともと人間関係に苦労するタイプではないが、気を使いすぎるところがある。自分から相手の懐に飛び込んでいく感じではないので、1軍にいながら、自然な流れで助言できたら、高橋光成や今井達也ら若い投手にいい影響を与えるのではないか。

 どんなに調子が良くても無理をしないことだ。大輔は「いけるか」と聞かれれば、100%「いけます」と答えてしまう選手。ここ数年の登板試合数を考えたら、中6日で回ろうとすれば、2、3カ月でおかしくなるリスクがある。辻監督も重々考えていることだろうが、先発と出場選手登録抹消を繰り返し、間隔を空けながら使ってほしい。

 これからは試合の中で、オフからキャンプで取り組んできたことを結果として示す時期に入ってくる。今年は特に外国人選手に実績十分の選手が多いので、しっかりと適応能力を見ていきたい。

週刊朝日  2020年3月6日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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