ジム・ロジャーズ「金正恩率いる北朝鮮は“金のなる木”になるか?」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ジム・ロジャーズ「金正恩率いる北朝鮮は“金のなる木”になるか?」

連載「2020年、お金と世界はこう動く」

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ジム・ロジャーズ週刊朝日#ジム・ロジャーズ#北朝鮮
ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう

ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう

2018年6月にシンガポールで会談したトランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=朝鮮通信

2018年6月にシンガポールで会談したトランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=朝鮮通信

「世界3大投資家」の一人とされるジム・ロジャーズ氏の本誌連載「世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く」。今回は北朝鮮の開国ついて。

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 トランプ大統領が1月、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の誕生日を祝うメッセージを送ったと報じられたが、米朝首脳会談が最初にここシンガポールで開かれたのは2018年6月。それから両首脳は2回顔合わせしたが、関係改善への歩みは止まっている。19年10月にストックホルムで開かれた米国と北朝鮮の実務協議が決裂し、米国は対話の再開を呼びかけたが、北朝鮮は応じる構えを示していない。

 しかし、私の分析ではロシア、中国、韓国などの周辺国も北朝鮮の開国を望んでいる。南北統一とまではいかなくても、北朝鮮が各国と交流を深める「オープンボーダー」が進むことは、これらの周辺国にとって歓迎すべきことである。実際、北朝鮮は開国に向けた準備を着々と進めている。現在の北朝鮮には、まだ株式市場がないが、いざ作ったときのために市場がどのように機能するのかを学んでいるようだ。シンガポールに来る北朝鮮の人たちは、若くて頭がいい人ばかりだ。

 北朝鮮には「自由貿易地域」と呼ばれる場所が15カ所ある。国際マラソンなどのスポーツイベントが行われる場所や、国際スキーリゾートなどがそれにあたる。韓国と北朝鮮の軍事境界線の北朝鮮側にある開城工業団地は、04年に操業を開始したが、16年の北朝鮮の長距離ミサイル発射により、韓国側の指示で操業を停止している。

 しかし、北朝鮮の開国が本格化すれば、かつて操業していた企業だけでなく、韓国経済を支える多くの財閥企業が参入を目指すに違いない。北朝鮮が進化を遂げているのは、リーダーである金正恩氏の力量であることは間違いない。幼少期をスイスで過ごした金正恩氏は、完全なる「北朝鮮人」とはどこか違う。

 日本のメディアでは全く伝えられていないが、金正恩氏は、改革開放で中国発展の礎をつくったトウ(※)小平氏がやったことを、自分も北朝鮮でやりたいと話している。北朝鮮の将官たちもまた、若いころに北京や上海、モスクワなどの国際都市に駐在した経験がある。自分たちが赴任した30年前から飛躍的に発展したこれらの国際都市に比べ、時代遅れのままのピョンヤンを見ると、歯がゆく感じるだろう。これらの外の世界を知る人たちが、北朝鮮に前向きな変化をもたらしているのだ。金正恩氏のリーダーシップと、昔から培われてきた「勤勉な国民性」を持つ北朝鮮は、韓国の経営能力や資本へのアクセスというノウハウと組み合わせることにより、刺激的な国になりうる。投資先としては非常に魅力的であり、私が北朝鮮に投資したいと断言する理由もそこにある。


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