湯浅町のふるさと納税での返礼品はいらん、送るな、カネ返せという苦情も相次いでいるという。

 一方、東京都内では屋形船での新年会で感染が拡大したタクシー業界へも影響が出ている。屋形船の新年会に出席した東京都内に住む70歳代の男性タクシー運転手が感染し、その妻と80歳代の義母にも感染。2月13日に義母が神奈川県の病院で亡くなったが、コロナウイルスの感染は死亡後、確認された。

 新年会はこの運転手が所属する個人タクシー組合支部が1月18日夕方から屋形船を貸し切りにして行い、約80人の参加者のうち10人ほどが発熱などの体調不良を訴えた。屋形船の新年会に参加した60歳代の運転手はこう話す。

「組合から喋るなと言われている。新年会の参加者は運転手とその奥さんや子供さんもいた。そしてコンパニオンの女性も数人いた。1時間でカラオケ大会になり、コンパニオンと一緒にマイク握っていた。船なので普通の居酒屋と比較したら、そりゃ詰め詰めって感じだ。ツバが飛んだりもする。それと雨だったから、窓を閉め切っていた。全員が濃厚接触者となります。自分は陰性だったが『一度陰性でも、次に調べたら陽性だという例もある』と検査の時に言われました」

 最初に陽性がわかった70歳代の運転手の義母の死亡についてはこう疑問を訴えた。

「運転手は大田区あたりを流している人です。丁寧でいい人です。奥さんが感染して、義理のお母さんが亡くなって、大変だった。運転手から奥さんへ感染。奥さんからお母さんに感染したそうです。お母さのほうが先に調子が悪くなって入院。そこに奥さんが泊まり込みで看病したそうです。運転手が先にコロナの陽性とわかって、お母さんがすでに亡くなってから慌てて検査したと聞いている。これっておかしくないかと思いますね」(同前)

 運転手同士では常にコロナの話題になるという。個人タクシーに対し、風評被害が広がり、死活問題だという。

次のページ
運転手にとって死活問題