覚醒剤取締法違反などの疑いで逮捕された槇原敬之。余波は続く…
覚醒剤取締法違反などの疑いで逮捕された槇原敬之。余波は続く…

 マッキーこと槇原敬之が覚醒剤取締法違反などの疑いで逮捕されて十日余り。長年親しまれてきた歌手だけに、余波はいまも続いている。

 槇原容疑者の楽曲を番組テーマ曲として使用していた「ヒルナンデス!」(日テレ系)と「じゅん散歩」(テレ朝系)は、別の楽曲に差し替えた。

 ある放送作家は言う。

「スポンサーありきの地上波の番組ですから、リスクを最大限に避けるため、早めに差し替える判断をすることが多いです。曲に合わせた演出が特にあるわけでもないし、製作側からしても音楽の入れ替えだけすればいいですからね」

 槇原容疑者の所属事務所は、3月4日リリース予定だった30周年記念のセルフカバーアルバムの発売延期とファンクラブの手続きの一時停止を発表した。だが、既存作の回収は現時点では行われていない。

 昨年のピエール瀧が逮捕された際には作品の回収にともなって、「作品に罪はない」という声があがるようになった。芸能ジャーナリストの佐々木博之さんが指摘する。

「CDやDVD、映画といった、有料で選択できるものまで規制するのはおかしいのではないか、という流れは出てきています。もちろん今後の捜査や供述によって状況は変わりますが、2年前の容疑での逮捕でどこまでできるのか。回収には至らないこともありえます」

 前出の放送作家もCDの回収について語る。

「1回目の逮捕のときに回収しましたが今回はしないというのもおかしいのではという見方もあります。以前と違って今はCDが売れない時代ですから、回収したといっても『回収した』という企業側の姿勢が示されるだけで、さほど影響はないのかもしれません」

 佐々木さんは言う。

「ピエール瀧の逮捕のときも彼のアーティストとしての実力を買っている人が多く、それを惜しむ声がありました。今回の場合も同様ですね。数々の名曲が埋もれてしまうのはもったいない気はします」

“逮捕効果”といっていいのだろうか、2月24日付のビルボードダウンロードアルバムチャートでは、トップ100の中に、前週は1作もランクインしていなかったマッキーの作品が10作もランクイン、という現象がおきている。

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「楽曲に罪はない」ととらえる層