モスバーガーの店舗=撮影・小島清利
モスバーガーの店舗=撮影・小島清利
「ソイパティ」を選択すると、ラッピングに「ソイ」のシールが貼ってある=撮影・小島清利
「ソイパティ」を選択すると、ラッピングに「ソイ」のシールが貼ってある=撮影・小島清利

 米国でブームを起こした植物性たんぱく質を使った「べジミート」が日本でも増える兆しが出ている。モスバーガーを展開するモスフードサービスは、代替肉などを使った植物性100%のハンバーガーを夏にも全国販売する方針だ。

【写真】モスバーガーの「ソイパティ」

 2019年、米国のスタートアップ企業であるビヨンド・ミートが、「べジミート」を世界にはやらせるきっかけをつくった。

 同社の主力商品「ビヨンドバーガー」は、エンドウ豆や緑豆、コメを組み合わせた食物由来の材料で、肉の味と触感を再現した。ココナツオイルとココアバターで霜降りの脂肪分に似せるなど健康志向の商品を展開し、世界中の小売店やレストラン向けに販売している。

 こうした植物性たんぱく質を使って肉の味や食感を再現したものを「代替肉」や「べジミート」などと呼ぶ。欧米では健康志向に加え、温暖化の一因となるメタンガスを牛がげっぷやおならで出すことや、飼育に使う水の多さを理由に、肉料理の環境負荷の高さを指摘する声が高まっている。

 米国発のブームは日本の食卓にも広まっている。クックパッドなどの料理サイトにも、大豆で作る「ソイミート」のハンバーグやから揚げなどのレシピが掲載され、人気を集めている。

 べジミートの国内でのブームを先取りしようとした動きが出始めている。伊藤ハムは19年秋、大豆由来の植物肉を開発した。業務用商品の商談会で、大豆ミートを使った「カツ」や「ハンバーグ」など10品を展示。セブン―イレブン・ジャパンが店舗で試験販売したハンバーガーに採用された。

 モスフードサービスは、代替肉などを使った植物性100%のハンバーガーを今夏にも全国販売する。同社の広報担当者はこう話す。

「100%植物性の商品は世界的にも珍しく、国内の外食チェーンでも初めてではないか」

 モスバーガーはすでに、大豆由来の植物性たんぱくを使ったソイパティを開発。昨年から店頭で、ハンバーガーのパティを「ソイ」に変更できるサービスを始め、拡大している。

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