記者会見で無罪を主張した秋元司被告(c)朝日新聞社
記者会見で無罪を主張した秋元司被告(c)朝日新聞社

 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件で起訴された衆院議員・秋元司被告(48)=自民党を離党=が2月12日、東京拘置所から49日ぶりに保釈された。起訴内容を全面否認中で、14日の記者会見でも「裁判で無罪を主張したい」と述べた。

 異例と言える今回の保釈について、元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士はこう語る。

「保釈が認められたことはいいことです。これまでの特捜部の事件では、被告人が全面否認のままでは保釈はなかなか認められないケースが多かった。それが今回、認められたのは、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(65)の事件が影響していると考えられます」

 ゴーン前会長についても、東京地検特捜部の事件だった。郷原弁護士は逃亡前のゴーン氏に何度もインタビューしていた。

「ゴーン氏のレバノン逃亡劇と、現地での会見により、身柄を長期間拘束して無罪の主張を封じ込める『人質司法』の問題を取り上げたことで、この問題に国際的な注目が集まりました。日本の裁判所も、もっとしっかりと保釈の可否を判断しよう、罪証隠滅の恐れを厳密に解釈しようと考えるきっかけになった。それが秋元議員の保釈にもつながった可能性があると思います」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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