「河井夫妻の事件は、検察の威信をかけて立件すべきとの強硬意見もある」(前出の検事)

 黒川氏定年延長のニュースが報じられた後、河井夫妻の公職選挙法違反事件で広島地検から取り調べを受けた河井案里事務所の元スタッフが明かす。

「昨年12月に取り調べを受けた時、検事さんはやる気満々だった。それが1月に高検検事長の定年延長がニュースで流れると、急に『供述調書? もっと事実関係を詰めてからにしましょう』とトーンダウンしていた」

 しかし、2月に入ってから異変があったという。

「広島地検は東京へ家宅捜索にわざわざ行ったそうです。その後、再び、事情聴取で呼ばれた時、検事さんは『供述調書の完了まであと少し』と言っていた。当時の秘書らだけでなく、河井夫妻の関与までほのめかしています」

 官邸とそのお庭番は今後、どう動くのだろうか?(今西憲之)

週刊朝日  2020年2月21日号

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今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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