ミッツ・マングローブ「『みんなのキムタク』ではない木村拓哉の尊さ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「『みんなのキムタク』ではない木村拓哉の尊さ」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

※写真はイメージです (Getty Images)

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熱視線

ミッツ・マングローブ

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 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「木村拓哉さん」について。

*  *  *
 2020年もぼちぼち1カ月が過ぎようとしていますが、まさかここへ来てこんなにも木村拓哉を大量消費するとは夢にも思いませんでした。昨年末の『グランメゾン東京』に始まり、新春ドラマ『教場』、満を持してリリースされたソロCD、そしてマクドナルドのCM。どれも最新かつ安定の「キムタク」が連日炸裂しています。平成の世を席巻し、昼夜を問わず日本中がキムタクだらけだったあの頃の感触が蘇るとともに、その声や姿を観聴きするにつけ、得も言われぬ安心感を覚えているのは私だけではないはず。

 ドラマ『教場』では、白髪の冷血教官を演じた木村さん。今までになかった要素の多い役柄で斬新だった一方で、もはやご自身でもコントロールできない「キムタク感」が絶妙な塩梅で滲み出ていて、改めて「磐石さ」とは、不器用さや一途さの賜物なのだと実感させられる作品でした。舞台である警察学校の渡り廊下を歩く後ろ姿など、今にも『青いイナズマ』を歌い出しそうで素晴らしかった。近頃は、やたら器用で要領が良さそうなだけの俳優たちが次から次へと乱立していますが、どうにも観ていてワクワクしないのは、そのような「性(さが)」が足りないからに尽きます。そして現在放映中のマクドナルドのCMは、いかに「キムタク」が人々の日常の一部であるかを実証し、その記号化された日常性を上からなぞり書きしたような、まさに『木村拓哉グレイテスト・ヒッツ』です。「あざとい」とか「わざとらしい」を通り越して、もはや尊さしか感じません。

 今年に入り、様々な場所で「やっぱりキムタクはカッコイイ!」と噛み締めている人たちを目にします。周りに共感を求めるでもなく、いわゆるイケメンを見てキャッキャするでもなく。それはまるで懺悔のようでもあり、何かに降伏しているようでもあります。言うならば「やっぱりカッコイイよなぁ、チキショー!」といった趣(おもむき)です。


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