<多人数で集合することその他対立抗争に係る暴力行為を誘発するおそれがあるものとして政令で定める行為が禁止される。(おおむね5人以上の者が、時間、場所を同じくすることをいう。)>

 そして注意事項として<つきまとうこと、うろつくこと、多数で集合することなどについては、いずれも「対立抗争の準備のため」などの目的を問わない>との解説付き。

 罰則規定についても<これらの規定に違反した者に対しては、3年以下の懲役若しくは、500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとされている>と書かれている。

 とりわけ、5人以上で集まることを禁じている項目が厳しい。2枚目からは「Q&A」が並んでいた。

<Q 人数制限は何人まで大丈夫ですか?
A 最高4人まで。5人で逮捕されます。(人数制限は最高4人までと
しますが、繁華街や喫茶店などの場所と状況によっては4人でも逮捕された判例>

<Q 警戒区域内に在る喫茶店などで4人で集まったらどうなりますか?
A 判例は、注意でしたが逮捕はさじかげんです。各警戒区域によって異なってくる可能性がありますので十分注意してください>

<Q 新幹線や飛行機などでバッタリでくわしてしまった場合どうすれば
いいのですか?
A 速やかに席を変わる、車両を変える、ホームや待合のそれぞれの場所を離れる様に速やかに行ってください>

 このように具体例をあげて、注意喚起していた。元山口組顧問弁護士の山之内幸夫氏はこう解説する。

「暴力団は月に1回と決められた日に定例会と呼ばれる会合を開催して、結束をかためます。だが、特定抗争指定暴力団となると事務所も使用できない、5人以上で集まれないとなると、暴力団の結束が維持できるのか。懲役などの罰則規定に触れているのが、暴力団のマニュアルらしいですね」

 しかし、そんな厳しい状況下で、高山若頭宅銃撃事件が起こった。特定抗争指定暴力団の指定は抗争が続く限り継続される。永遠に解除されない可能性もある。

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どちらかが解散するまで抗争が続く