菅官房長官は野党の要求を拒否。1月29日の参院予算委員会で理由をこう述べた。

「ログを確認することが行われれば、同じシステムを利用している国家安全保障局、さらには内閣官房、内閣府のまさに国家機密に関わる情報を含めて調査することとなり、漏洩(ろうえい)の危険性が増すことから、ログの確認は不正侵入の検証などの取得目的の範囲内で行われるべきものである」

 ログを確認しただけで国家機密が漏洩するとは信じ難い。安倍首相を守るためなら、何とでも理由をつけるようなものだ。まさに、“証拠は捨てたもん勝ち”の状況だ。

 前出の右崎氏はこう嘆く

「ログの確認は技術的に可能なはずなのに、やろうともしない。ログを開示しないということは、行政文書の管理簿や廃棄簿そのものを隠すのと同じです」

 公文書管理の最終的な責任を負うはずの安倍首相は説明責任から逃げているが、ウソは暴かれつつある。
 桜を見る会には、高齢者らへのマルチ商法で行政指導されたジャパンライフの元会長らも、招待されていた。

「安倍首相は招待者基準や人数を自分の責任で見直すと言っていますが、その基礎的資料となる名簿を廃棄してどうやって検証作業をするのでしょうか」(右崎氏)

 公文書管理法では、公文書等は健全な民主主義の根幹を支える「国民共有の知的資源」だとして、文書管理の大切さを次のように強調している。

「国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」

 安倍首相は、説明の責務を最後まで果たさないつもりなのだろうか。

(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日オンライン限定記事