和田さんはこう助言する。

「目の前の困りごとだけでなく、本人がどこでどのような生活を送りたいか、家族はどのように支えたいかということを、ケアマネジャーと話し合えるかどうかが、満足のいく介護のカギを握る。ケアマネは、地域包括支援センターで紹介してもらえるが、合わないと感じたときは、ケアマネが所属している事業所や地域包括支援センターに依頼して、変更することもできる」

 信頼できるケアマネを見極めるコツは、

「利用者本人の生き方や好みを尊重してくれる」
「目指したい生活に向け、サービスの選択肢を複数出してくれる(地域にある複数のサービス事業所の特徴について、照会してくれる)」
「提案内容の根拠まできちんと説明してくれる」

 かどうかだ。

 介護サービスは、

「自宅で受けられるもの」
「有料老人ホームなどの施設で受けられるもの」

 に大別される。まずは、利用者の状態や家族のライフスタイルなどによって、在宅か施設かを決める。

 在宅で受けられるサービスの中にも、自宅に訪問してもらうもの、施設に通うもの、訪問・通い・宿泊を組み合わせたもの、家族の急な用事などのさいに利用できる短期間の宿泊がある。

 自宅で介護できる場合は訪問系のサービスを中心に利用し、本人が引きこもりがちになることに心配があれば、通所サービスの利用も検討する。介護者が仕事などで不在となる時間に合わせて、通所サービスや短期入所サービスを組むなどの工夫も必要になる。

 最近は、訪問・通い・宿泊を組み合わせた「小規模多機能」サービスが注目されている。訪問介護、通所と短期入所の機能をもっており、24時間365日いつでも利用相談(通所と宿泊は1日の定員数に応じる)できるのが特徴。月額定額制のため、介護保険の利用限度からはみ出す心配もない。要介護度が高くなっても、自宅での介護が続けやすくなり、最期のみとりまで利用がイメージしやすい。

 また、在宅介護に適応した環境を整備するための、福祉用具の購入やレンタル、住宅の改修なども介護保険を活用できる。自治体に事前申請が必要なものがあるため、確認しておきたい。

次のページ