最後の「そ」は卒塔婆。戒名や供養する人の名前を住職が筆で書くのが通例だが、最近はプリンターで印刷する僧侶がいるという。

「直筆かプリンターかは見れば一発でわかります。僧侶の“サボり度合い”というか、心が込められているかどうかを見極められます」(同)

 確かに、この五つの法則に合格ならば安心だろう。こうした住職なら、葬儀社の相談にも真摯に応じてくれそうだ。

「年齢にもよりますが、以後の長い付き合いを考えると、多くの場合、住職の息子らが務めている副住職との相性を重視したほうがいいかもしれません」(同)

 民間霊園や公営墓地だと僧侶にしばられず、気に入らなければ別の人に代えることもできるが、次の点に注意が必要だ。

「民間墓地は未来永劫、霊園が続くとは限りません。途中どこかで、経営が立ち行かなくなる可能性がある。実際、2019年10月に大阪の霊園開発業者が倒産しています。公営墓地は安いが、遺骨がすでにある人が優先されることが多く、競争率も高い。また、区画が広いため、結果的に費用が寺墓地と同じくらいになってしまう可能性もあります」(同)

 墓は急いでつくる必要はなく、お寺に頼めば墓ができるまで月数千円で遺骨を預かってくれるシステムもあるという。これなら、じっくり墓探しができる。

 肝心の費用面はどうか。

 寺墓地の場合だと、墓づくりには墓地永代使用料として50万円程度、墓石に100万~150万円ほどかかる(地域によって相場は異なる)。墓石はいいものを選ぶなら上はきりがない。石材店は寺に指定されることが一般的だ。これは石材店が墓地を造成するケースが多く、その先行投資を回収するためだという。

「そのお寺に永代供養墓がある場合は、コスパを考えるならそれも一つの選択です。墓所の管理はもちろん、お彼岸やお盆の供養も住職などの墓地管理者が行います。年回忌法要(法事)は基本的に不要なのですが、最近では永代供養墓に入っていても法事をなさる遺族もいらっしゃいます」(同)

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